企画制作LOKI・出演の熊谷知彦さんに原案原作・脚本を提供した作品。


 
■作品意図
 “リアリティーショーは危うい”、という事が露呈されはじめた頃の2020年の作品。
視聴者に、フェイクとリアルの境目を体験してもらいながら、出演者と共に、フェイクとリアルを考えてみるというロールプレイング。
面白ければよい・チャンネル数(視聴率)が上がればよいといった、利益のみ追求してきたわけではない、という主人公。手のひらを返したような薄情とも思える世論のあいだで揺れ動く主人公に対して、視聴者はどうコメントするか? 視聴者が試されるという作品。
 
■主人公
熊切坂保(くまきりざかたもつ)、45歳。東北生まれの料理研究家・料理系ユーチューバー。嗅覚障害をウリにしていると叩かれる。
 
■主人公のものがたり経緯
大学卒業後上京し、俳優やダンスでプロの道を目指していたものの、なかなかチャンスが訪れず自分の道を模索していたとき、バイト先のレストラン『サムライキッチン』のシェフ・料理研究家からアシスタントをしてみないかと声をかけられた事がきっかけで料理の道に入り、約3年の修行期間を経て、31歳で料理研究家として独立した。
 
和食、フレンチ、イタリアン、エスニックと幅広いジャンルに精通。
熊切坂のつくる料理の特徴は何といってもその匂いであり、『匂いの多重奏』と表された料理の数々は、そのレシピ通りつくってみれば必ず誰しもどの料理も香しく放つレシピであると評判を呼びはじめる。
 
その頃熊切坂は、自身のウェブサイトで自分が生まれつきの嗅覚障害であることを公表した。
 
この日以来、“生まれつき鼻の不自由な料理研究家”、“料理界のベートーベン”等々という言葉がメディアを賑わせるようになり、テレビ番組にも呼ばれるようになる。2020年×月よりユーチューバーも開設した。飲食業界でも脚光を浴び、革新をもたらし始めた頃、ある月刊誌において、実は熊切坂は匂いを感じているという疑惑の記事が掲載された。料理研究家・田中浩が、かつて熊切桁坂の元でアシスタントをしていた頃、『焦げ臭いぞ』と注意を受けたことがある、というものだ。
 
この日以来、“熊切坂はペテン師だった”、“嘘つき熊切坂”といった言葉がメディアを賑わす。YouTubeのコメント欄には、“設定だったのか笑”、“弁明してください”等々のコメントが相次ぐ。これを受け、熊切坂は10月17日(18日)、自身のチャンネルで『会見』を開くことにする。
 
会見中、熊切坂は、責めるコメントと持ち上げるコメントや、手のひらを返したような世論に対し、自身の本音や立場を伝えながら、視聴者に問いかける。が最後まで、疑義は明かされないままに終わる。
 
■作品手法
本作は、視聴者参加型作品を目指すため、本番中は上記設定を、視聴者自身も理解し、参加できるような仕掛け=視聴者にはフィクションとしての設定だと理解してもらい視聴者自身が、熊切坂のチャンネル登録者、つまり料理研究家としての熊切坂を許容してきた視聴者として振る舞ってもらい、
 
命題『もし、自分が追っかけ信じていた人物に、そのような疑惑がかかったとき、あなたならどうするか?』
 
という命題を投げかけてみる。
実際にライブ中にコメントをしてもらうという、ロールプレイングゲームのような趣向。
視聴者と共につくるフィクション。
とはいえ、あくまでサクラとしてのユーザー参加者の質問も予め台本として用意しておき、あくまでストーリーの流れは台本に沿った流れとした。
 
■ジャンル
コメディ
  
 
■動画配信手順
本番の会見までの、経緯の共有
熊切坂の経緯①人気料理系ユーチューバー動画
熊切坂の経緯②嗅覚障害であることの真意の動画(脚光を浴びている時期)
熊切坂の経緯③ペテン師呼ばわりされたことに対する反論
熊切坂の経緯④弁明会見(あくまで嗅覚障害であることを曲げない)
 
ウェブサイトURL
https://www.youtube.com/channel/UCS4tFluNmOhx8xJgS0fJsNg/about