ユビュ王
~どこにでも遍在するユビュ王とともに~

チェルフィッチュの岡田利規や鳥の劇場の中島諒人など、7名の演出家が同じ台本『ユビュ王』をそれぞれのスタイルで上演するという【UBU7演劇祭】での上演。

ユビュ王の物語は、時代背景として、ポーランドがロシアに併合され、地図にはなく国として存在しておらず、名前だけ存在していた1894年の話となっている。

主人公のユビュは、その実体のない国であるポーランドの王を暗殺し、王冠を手にする。

実態のない国の王様となったユビュ王は傍若無人な振る舞いを繰り返し、自由兵を引きつれて、次は大国ロシアの王冠を奪おうと攻め込もうとしたとき、前ポーランド王子から復讐を受けて王位を奪われ、国を追われることとなる。

だがユビュと自由兵たちに悲愴感はなく、次は美食の国フランスへの旅立とうと、その喜びを船の上で歌う……というストーリー。

作者のフランス人、アルフレッド・ジャリは不条理文学の開拓者と呼ばれ、『ユビュ王』は1920年代から1930年代のシュルレアリスム演劇の先駆的な作品と評された作品。

【演出】
〜みんながみんなユビュ王〜
ユビュ(UBU)はユビキタス(UBIQUITOUS)。
大衆の欲を代弁し、いつでもどこにでも存在する。どこにもいないようでどこにでも遍在する。
そんなユビュ(UBU)という人物はグロテスクな機械自動人形のような存在になっていき、現代人を模した自由兵がしまいにはユビュを操り、あるいはユビュから操られ、みんながみんなユビュ王になっていく、といった様子を俳優のフィジカルな動きで表現し、描いた。

ユビュ(UBU)とは、それ自体が遍在的(ユビック)でありながら円環をなしてしまう存在の代名詞である

松岡正剛の千夜一夜より

【キャスト】
ユビュ       熊谷知彦
ユバ        白井さち子
被験者・自由兵の男 峯村純一
被験者・自由兵の男 園部貴一
被験者・自由兵の女 橋本公子
ブーグルラス・ヴァンセスラス 林佑次
良心        藤波恵
従僕        佐藤美佐子

【スタッフ】
照明  佐々木真喜子(ファクター)
音響  BIZ SOUNDS/小島信一 井上恵介 
    平松れい子(keyboard) 林佑次(guiter)
衣裳 久保薗美鈴
映像プログラム 宮崎幸司 
映像撮影 佐々木誠
アクティングディレクト 柚木佑美
制作補 山田真由美
演出助手 尾崎美香
舞台監督 長堀博士 田中冬生 赤羽三郎
記録撮影 moment
稽古場協力 ベニサンピット

短編映画「Looking for UBU ROI」(ユビュ王を探して)
http://www.moment.gr.jp/14/movie.html

ミズノオト・シアターカンパニーおよび本公演に関する特集(momentのサイト)
詳細はこちら→http://www.moment.gr.jp/9/special.html

ミズノオト・シアターカンパニーおよび本公演に関する特集(momentのサイト)より